労働事件 立証と証拠収集(改訂版)

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改訂版はしがきより
 我が国が抱える労働問題は、男性か女性か、正規か非正規かによる労働環境のあり方が、固定的かつ顕著に異なるものとなっており、柔軟性が極めて少ない状態にあること、そして、このような偏りによる様々な問題により、欧州との比較においては、異常な長時間労働も放置されたまま、全体として生産性の低い働き方の社会になっているということである。
 このような状況の中、我が国における労働事件の現状を見てみると、全国の地方裁判所の平成29年における労働関係民事通常訴訟事件(3526件)と労働審判事件(3369件)の新受件数は毎年3000件を超える事件数に推移しているのが現状であり、これらの問題を抱えたままでは、少子高齢化が進み、総人口の減少による労働生産人口の減少が顕著となり、国際競争力が低下するほか、現在ある豊かさの水準も保つことが難しくなり、労働紛争もより複雑化していくことが考えられる。
 『労働事件 立証と証拠収集』は、平成27年1月に紛争類型別及び争訟手続別の立証手続の一指針となる実務解説書として発刊された。それ以降、労働者派遣法の改正、①働き方改革の総合的かつ継続的な推進、②長時間労働の是正と多様で柔軟な働き方の実現等、③雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保の3つの柱からなる「働き方改革関連法案」の可決・成立など、我が国における労働環境は、国際競争力を高める方策がとられる上で、まさに変革の時を迎えているとともに、今後、より複雑な労働紛争が提起されていくことが予想される。
 これらの法改正を織り込み、また各項目のバージョンアップを行い、4年ぶりに改訂し刊行するものとする。
編者代表 ロア・ユナイテッド法律事務所  代表パートナー弁護士 岩出  誠
主要目次
●第1章 総  論
 第1節 証拠・資料の重要性/第2節 法律相談における注意点/第3節 証拠の収集方法
●第2章 労働関係訴訟における事件内容類型別要件事実と証拠
 第1節 採用・就職/第2節 労働時間/第3節 賃金・賞与・退職金/第4節 配転・出向・転籍/  第5節 競業避止義務/第6節 営業秘密・職務発明等の労働知財/第7節 メンタルヘルス/  第8節 セクハラ・パワハラ・マタハラ/第9節 雇用差別(男女・国籍・信条・社会的身分・組合等)/  第10節 懲戒処分/第11節 退職・解雇/第12節 非正規雇用/第13節 不当労働行為/  第14節 労働災害・後遺障害関係
●第3章 訴訟以外の争訟方法
 第1節 労使関係調停/第2節 労働審判/第3節 保全処分/  第4節 個別労働関係紛争の裁判外の紛争調整機関等/  第5節 労災保険給付をめぐる紛争調整手続/  第6節 集団的労働事件の紛争調整・不当労働行為審査手続等
●第4章 労働者側・使用者側それぞれの証拠収集
 第1節 労働者側の証拠収集/第2節 使用者側の証拠収集/  第3節 行政(官公庁)からの証拠収集/第4節 公判における証人と尋問  書式編・事項別索引・判例年月日別索引
著者ロア・ユナイテッド法律事務所・編著
発刊日2019/06/28
ISBN978-4-908621-08-6
CD-ROM無し
サイズA5判 (303ページ)